The Rocks Don’t Lieの訳本

数年前にエドモントンのShaw教授から「The Rocks Don’t Lie」(David R. Montgomery 著)という洪水伝説と地質学の関係をまとめた本が出たよ,と教えられて読みました.この週末に本屋の地質コーナーをのぞいていたら,なんとその和訳が出ていたのを見つけました.すかさず購入したのはいうまでもありません(ジュンク堂吉祥寺店の地学系書籍の品揃えはなかなかです).
jkt_rocks

それで,訳者はなんと,前の職場で学位を取ったというお方であることを発見.鳥類が専門のため地質学は門外漢で本書の翻訳に苦労した,と,あとがきに書いてありました.なぁんだ,この話題ならいろいろ相談にのってあげられたのに...とちょっともどかしくも思いましたが,比較的すらすら読むことができて,翻訳の秀逸さに感心しました.内容は原文で既読でしたが,日本語であらためて味わってみると,私のChanneled Scablandのレビューもまんざら捨てたものでもないな,という気がしてきて,ちょっとうれしくなりました.

D論で氷床底水流説にかかわって以来,氷河湖決壊洪水や火星の洪水,そして津波など,カタストロフィックフラッドにのめり込んできましたが,この方面への興味はまだまだ続きそうです.


黒部の山賊・源流の記憶

IMG_6411昨年復刻されて話題になった「定本黒部の山賊」とコラボ?の写真集が出ていたのを本屋でみつけて思わず購入してしまいました.登山道も山小屋も十分でなかった時代の山.北海道で未開の山野の片鱗らしきものたちを実体験してきて,いつも心のどこかで開拓時代の自由さや困難さにあこがれるようになっていました.この写真集はそういう時代が郷里の北アルプスにもあったことを強烈に伝えてくれます.

定本…のほうは,昨年の復刻時にすかさず読んで,幼い頃に山好きの父親が話して聞かせてくれた「山ばなし」の原典をようやく見つけたような気がしてうれしくなりました,ひと月ほど前に,実家の本堂を改装するというのでご本尊の移設作業を手伝いに帰省した際に,屋根裏にぼろぼろになってほこりをかぶった旧版本を発見して「オォッ」という思いをしたばかりでもあります.人生は螺旋を描いて進んでいくんだなぁとこのごろつくづく思います.


★特集 私のフィールドノート

古今書院「地理」 2015年9月号 は ★特集 私のフィールドノートです.

フィールドワーカーは、どんなフィールドノートに、何をどのように描いているのか。自分のフィールドノートの記載例を紹介するとともに、フィールドワークの様子や記載に当たって留意したこと、その時の思い出などを写真も交えて綴ります。地形学、都市地理学、農村地理学、文化人類学などの地域研究者や北極探検家など多彩なメンバーを揃えました。

フィールドワーカーは、どんなフィールドノートに、何をどのように描いているのか。自分のフィールドノートの記載例を紹介するとともに、フィールドワークの様子や記載に当たって留意したこと、その時の思い出などを写真も交えて綴ります。地形学、都市地理学、農村地理学、文化人類学などの地域研究者や北極探検家など多彩なメンバーを揃えました。

  • 理想のフィールドノートを求めて 森本 泉
  • バンクーバーで住宅地の変化を調べる 香川貴志
  • 大学ノートとの出会い─調査内容を思い出すためのツール─ 横山 智
  • 私“と”フィールドノートあれこれ 吉田英嗣
  • フィールドにおける「ノート」の多機能性 伊藤千尋
  • 極地フィールド研究者と犬ぞり北極探検家のフィールドノート 的場澄人・山崎哲秀
  • 社会人類学のフィールドワークから 椎野若菜
  • アナログとデジタルとのはざまでフィールドノートを考える 澤柿教伸
  • 岩手県遠野市の民家調査から 河本大地
  • 巡検の記録をたどる 匂坂裕一郎
  • ジオパークフィールドノートを調査や巡検で使おう! 編集部

氷河研究集会

今年の低温研氷河変動研究集会のため,北大を離れて以来はじめて札幌ににやってきました.

11826007_868758876538895_6497974667671446940_n

札幌駅でこの展示に出迎えられました。

前後真下を同時に撮影するのこの光学センサーのおかげで、氷河研究にも随分発展がありました。今回の研究集会での多くの発表もこれに支えられています。


白馬合宿

澤柿ゼミ初の夏休み合宿で白馬にきました.

11800518_866881336726649_2378256865178093049_n

猛暑の中登ってきて白馬大雪渓の冷風に一息ついてます。

安曇野の空はもう秋っぽいです。

安曇野の空はもう秋っぽいです。

 


おそろい

 

ゼミでおそろいを用意しました.ゼミ生たちがやる気を出してくれるように...

ゼミでおそろいを用意しました.ゼミ生たちがやる気を出してくれるように...


緊急公開シンポジウム「ネパール地震と雪氷災害ー現状把握と復興に向けて」

2015_nepal_sympo

詳しくは【こちら


初めての白馬山荘

ファイル 2015-05-06 17 08 48東京に出てきてまだひと月ですが,今後の展開を考える上でなによりも先に押さえておきたかった拠点の偵察に行ってきました.

初夏の新緑に残雪が輝く白馬連山が最高に美しいロケーションにまず感動.しかも,この時期にもかかわらずほぼ施設を独占できてしまうという贅沢さ.大切にこの施設を維持されてきた関係者の思い入れやご苦労をしのびつつも.利用率が振るわない昨今の事情に残念さも感じました.

麓でうろうろしただけなので山屋としてはかえってフラストレーションが溜まってしまいましたが,野外実習にはいろいろと使える素材がそろっていますので,あらためてこの周辺の自然について勉強しなおそうと思っています.まっすぐ西へ峰を二つ越えれば実家にもたどり着いてしまうので,東西両側から攻める手も使えそうです.


ネパールの地震災害をどう伝えるか

連休初日の祝日であってもコマ数確保のため講義実施日なんですねぇ.

自然科学特講1_20150429ネパールの地震災害.001ネパールで進行している破局的な災害の情報が入ってくるにつけ,地球科学に携わり彼の国と関わりをもった者として,少しでも手助けしたいという気持ちが募ります.しかし,なかなか実行に移せないもどかしさを強く感じています.このフラストレーションを,担当する講義で学生達にぶつけてきました.

今回の地震のメカニズムのこと,カトマンズの世界遺産の被害のことエベレストBCの雪崩のことOSMのクライシスマップの動き,伏見さんの現地レポートランタン谷のこと,永井君のDigital Globe衛星写真解析のこと,メディアリテラシーのこと...しっかり準備はできませんでしたが,地球科学を専門としない社会学や福祉学を学び始めたフレッシュマン達の心に,場末の地球科学者の嘆きが少しでも届けばと思って...

「もし君たちの中に私と同じもどかしさを感じた人がいたら,まず自分の未熟さを自覚して大学で学ぶモチベーションに変えてください」担当している3つの時間を使って,延べ500人の学生にこのメッセージを伝えることができたと思います.そんなふうに押し売りされた学生はたまったもんじゃないとは思いますが,中には目の輝きがみるみる変化していった学生がいたことも確かで,それは嬉しい反応でした.


ゼミ始動

FullSizeRender 3法政大学で仕事を始めて半月が過ぎました.いきなり任された新入生クラスのガイダンスにはじまり,田中優子総長とも話ができた新任研修,初の教授会,400名の受講生を迎えての大講義室での講義,中規模クラス講義の抽選,その合間に科研費の報告と新年度予算の申請,様々な事務手続きなどなど,めまぐるしく過ぎた2週間でした.

そしてこの15日には,澤柿ゼミが始動しました.通称「探検と冒険ゼミ」です.実はゼミ生の募集自体は3月末から始まっていました.その第1次募集説明会で,私の説明会場に来てくれたのはわずかに1名.その子も,ひとりぼっちがさみしかったのか早々に別の会場に逃げて行ってしまう始末.ガランとした講義室でもうしばらく待っていると,さらにもう一人.でもそれは,切れた蛍光灯を交換にきてくれた用務員さんでした.その方としばらくだべって私も退散するという,まるでコメディのような思いやられる悲惨な先の思いやられる幕開けでした.

続きを読む


1 2 3 4 5 6 7 236